- OnWaのひと
音大生のリアル〜自粛期間中の大学〜
最終更新: 1月24日

新型コロナウイルスによって全国の大学のほとんどが前期の授業はオンラインで行われていたのではないでしょうか。
音大も前期はほとんどオンラインで行われていました。
今回は音大生がどのような授業の取り組み方をしていたのか、今現在の音大がどうなっているかお話ししていきたいと思います。
・自粛期間を終えて
・最後に
音大の2種類のオンライン授業
前期のほとんどがオンライン授業で行われていました。
主に二種類の方法で行われていました。
・非同時型授業
・同時双方型授業(zoomを使ったもの)
私が履修していた授業のほとんどが非同時型授業だったので、時間が限られず空いた時間に授業を受けることができていたのでとても楽でした。
非同時型授業
これは授業の資料とともに動画が共有され、自分で好きな時間に授業を受け、決められた日までに課題を提出するスタイルの授業です。
この中でも主に3パターンに分けられます。
1つ目は音楽史、一般科目などの理論もの
Googleのアンケートフォームに記入し、提出するものがほとんどでした。
授業動画と資料が出され見ながら学んでいくものです。
授業を受けたかどうかの確認程度であまり難しい記述もなくあまりやった気にならなかったです。ですが、普段からしっかり授業を受けておかないと最後のまとめのレポートがとても大変になってしまいます。(一科目痛い目にあいました笑)
後期からはClass roomを使う先生が増え課題の確認が生徒も先生も楽になったと思います。
2つ目は和声、ソルフェなど実践的な課題があるもの
課題が出されそれを自分で解き、答案を写真をとったり、音声を録音してメールで送るかたちです。
これがすごく大変でした。和声はほとんど自主勉強で学んでいくになり、授業の時間以上に時間がかかることもありました。
答案を提出して添削してくれる先生もいれば、次の週で動画で回答を出すだけの先生もいて授業の理解度もまちまちでした。
ですが、普段は1対1でやり取りすることがあまりない先生ともメールでのやり取りが増えたことによって一回一回アドバイスをもらえたのでとてもありがたかったです。
3つ目は先生がパソコン使いこなせてない授業
ほとんど単位のためにとってるようなものでした。
課題は前期終了時のレポートのみで、動画も無く、ただ 資料を読んでおくように! というだけのものでした。授業とはいえないものでした。
同時双方型授業
zoomを使った授業になります。
実技を伴う授業ではこの方法を用いた先生が多かったです。
ですがタイムラグがあったり、動画では伝わらない動きがあったり大変でした。
後期になって対面の授業になりこのストレスが解消されて本当に良かったです。
個人的にありがたかったのが月曜日の1限がオンライン授業で受けられたことです。
学生からしたらとっても都合が良いですよね?笑
レッスンはどうしていたの?
東京アラートが発令された次の週あたりまではオンラインで行われていました。
ですが、オンラインではほとんどレッスンの意味がなかった気がします。
ピアノは特に音の数が多く、強弱の幅が大きいので勝手にノイズキャンセルされたり、クリアになりすぎてペダルを使っていないように聞こえたりしてしまい大変でした。
リズムやテンポ感の確認、大まかな指導してくださることがほとんどでした。
流石に試験前は対面のレッスンが始まり、先生の生音が聞ける環境でレッスンをできる喜びを感じました。毎回のレッスンの緊張感は嫌いですが、久々の緊張感はなぜか快感でした。
自粛期間を終えて
後期からはオンライン授業と対面の授業と半々になりました。
レッスンも常に対面になり安心しました。
遠方から登校する生徒への配慮もあり、理由があればほとんどの授業をオンラインで受けることも可能です。
音楽大学の感染対策
学校に入る前は必ず検温が行われ、手洗いが義務付けられています。
二人がけの席は一人で使うようになり、人と人との間隔を1m開ける形で席が配置されておりゆとりを持って授業を受けることができています。
またプリントを配る際も前から順々に渡して配るのではなく、先生が一人一人に直接手渡しで配ってくれます。
授業も10分短縮され、その分休憩時間が伸び20分間の寒気が行われています。
マイナスポイント
対面授業が始まり嬉しいですが、マイナスな点もまだまだ多いです。
・授業に人数制限が設けら、受けられない授業があった。
以前でもとても人気な授業は抽選制でしたがほとんどは制限なく履修できていたのですが、教室や先生の生徒管理の関係で人数制限が設けられたことによって今年履修予定だった授業がいくつか受けられませんでした。履修登録申請したのに事務のミスで授業を受けることができないものもありました。
・対面授業の間にオンライン授業があり空き時間ができてしまった。
以前は空きコマの時間は学生ホールや練習のお部屋が使えたのですが、学生ホールの席も減ってしまったし、練習のお部屋もほとんど使うことができないので無駄な時間ができてしまうことが多くなりました。以前なら授業を履修する際に空きコマができないように授業を組めたのですが、履修申請後に対面かオンラインかが提示されたので、今年は空きコマができないように組むことができませんでした。
・友人と会う機会が減った。
対面の授業が減ったり、授業の人数が減ったせいで友人と会うことも減りました。
人によってはほとんどオンラインで授業を履修しているので全く学校で見なくなった子もいます。
逆に良かったなと思うこと
マイナスな点以上に今までの自分の授業態度を見直すいいきっかけになったなと思うことが多いです。
・時間を有効活用できるようになった。
オンライン授業は自分の好きな時間に受けることが可能なので体調が悪くても他の日に受けることが可能なのはありがたかったです。また、通学時間や授業間の無駄な時間がなくなり、他のことに時間を割くことができるようになりました。
・先生との会話が増えた。
先生に直接メールで課題を提出するものがあり、そこで会話をしてくれる先生もいます。
今まではあまり会話することがなく、授業を聞くだけのことが多かったですが、課題とともに自分の悩みや質問をすると細かく返答してくださる方が多く、今まで以上に課題に熱心に取り組むきっかけになったと思います。
・資料が簡単に見返せる
今までは先生が配布するプリントを見ていましたが、授業が終わると他の授業のものと一緒になったりかさばって見返すことがあんまりありませんでしたが、データで共有されるのでスマホに保存しておくことができ簡単に見返すことが可能になりました。また手元にまとめておきたい場合はこのデータをプリントコピーすることも可能なのでとても便利になったと思います。正直、一生見返さないであろうプリントもあるので紙の無駄が減って環境にも優しくなったと思います。
・学校に行くありがたみを再認識
今まで学校をめんどくさいなと感じることも多々ありました。一枚のプリントにまとめて教えてくれと思うことも多かったです。
ですがまとめられた資料を見るだけでは理解しにくいものが多く、先生が細かく説明してくださるありがたみを再認識しました。生のピアノの音で授業を受けないと意味がない授業も多く音大に行く意味を考えさせられました。
早く元の生活に戻って欲しい
幼少期に思い描いていたキャンパスライフとは程遠い生活を送っています。
大学三年生は一番遊べる時期だと思っていたので旅行に行ったり、美術館、コンサート様々なイベントに行く予定でした。友人とも会う機会が減ってしまい、一人暮らしなので人と全く会話しない日もあります。とても辛いです。
つい先日 1年生の見知らぬ女の子が話しかけてきてくれたのですが、私が年上だとわかると謝って去っていきました。大学入学して半年も経つのに友達のいない学校に通わないといけないことを考えると胸が痛みます。
私も入学したての頃は、とにかくいろんな子に話しかけて一人にならないように必死でした。今では限られた人としか話さなくなりましたが、それ以外の人とも授業で一緒になれば会話が生まれる程度に顔見知りです。
そういう人がいるといないとでは授業も受けにくいですよね。
最後に
クラシックは生音が命です。
音大生はこのことの重要性をこの自粛期間中に痛いほど感じたと思います。
私もこの自粛期間中に、よりクラシック音楽の技術の素晴らしさを痛感しました。
機械を通した音ではなく、早く生の音を多くの人に聞いてもらいたいです。
コンサートホールで聴く音は空気の振動まで伝わってくるのです。
あの体験が非日常になってしまったのがとても悲しいです。
一刻も早い復興を願っています。